ピッケルのシャフトに付けられるスコップ


数年前から登山を始めて今では雪山にも行くようになったのですが、馴染みの山での遭難の報道をきっかけに装備を見直してみました。

ツェルト(シェルター)は常備しており、自宅の庭で設営の練習をしたときは時間はかかったものの設営自体はできたのでよしとしていましたが、やはりスコップは持っていなければいけないと思うようになりました。とはいえ荷物と重量は極力増やしたくないのでピッケルをスコップの柄にできないかと考えました。試しに「ピッケル スコップ」で検索してみるとそういう商品がちゃんとあるんですね。

スコップとピッケルのハイブリッド商品

まだピッケルを持っていない方がこれから購入するなら以下のような商品が良いのかもしれませんが私はモンベルのグレイシャーというピッケルを持っているので無駄になってしまいます。

ピッケルへの後付けならこれ

既に持っているピッケルを無駄したくない場合はエキスパートオブジャパンのレッドバットが最適なのではないでしょうか。
ジュラルミン製でサイズは222mm×258mmで重さは365g。色はブラック(SN15)とピンク(SN11)がありますが目立ちやすいピンクを選びました。

さっそく取り付けてみる

石突きの穴にボルトをはめて前後方向の固定をしますがモンベルのグレイシャーには届きませんでした。

石突きのボルトを手持ちの少し長いボルトに交換して貫通させました。ナットはなくていいの?と思いましたが、つっかえ棒としての役割りなので締め込む必要はなく刺さってさえいれば良いです。
柄の部分は蝶ボルトで金具を締めて固定をします。金具の裏にはゴムが貼ってありピッケルの柄を傷つけないように配慮されています。様々なピッケルに対応させるのと分解せずに金具をつけたまま緩めて抜き差しする想定なのか蝶ボルトは長めになっています。モンベルのグレイシャーは最後まで締め込まないと固定されず余ってしまったので短いものに交換しました。

自宅の庭で雪洞を作ってみる

試運転として自宅の庭で雪洞を作ってみました。
2月時点の庭の雪山は1.5メートル以上あり、自然な積雪に加えて除雪で積んだ分の圧力が掛かっているので実際の使用シーンより固いくらいかもしれません。
初めの一手から良い手応えで即席スコップとは思えない安定感でグラつきなど一切ありません。これは使える。どんどん堀り進めていきます。

いきなり完成。とりあえず掘るだけ掘りました。雪かきが生活の一部になっている雪国民にとってはどうということのない作業でした。途中からはピッケルを使った即席スコップということを忘れるほど普通のスコップでした。柄が短い分、狭い雪洞内の作業に向いていると思いました。
本当は水滴が垂れてこないように壁や天井は滑らかにした方が良いそうなのですが、ちゃんと掘れるかどうかのテストなのでディティールはこの際無視しました。入り口を広くしすぎたという反省点はいつか来るかもしれない本番に活かします。
雪洞作りの講習会などもあるようですが自宅の庭ででもやるとやらないでは大違いだと思いました。どんな作業にどのくらいの時間と労力が掛かるのがわかればどの時点でビバークの決断をするのか判断材料にもなります。日が暮れて疲労困憊してからでは遅いですから。とても良い経験になりました。

雪山では必携!

ピッケルを持って山へ行く全ての人におすすめします。

ツェルト(シェルター)もお忘れなく。

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