JB23Wジムニー車中泊ベッドの制作

車中泊ベッド制作の経緯

私は週末に釣りに行くと必ずキャンプになります。日帰りでは帰りの行程のことを考えるとゆっくりできないので<1日目>往路、釣り、キャンプ、<2日目>釣り、復路といった感じで、3連休・4連休ともなれば2日目・3日目は100%釣りに使えます。
以前はよくキャンプ場を利用していましたが、キャンプブームで激増したマナーの悪いキャンパーにうんざりしてキャンプ場には行かなくなり河原で野営をするようになりました。それ以前にキャンプ場に行こうにも緊急事態宣言中は閉鎖されていましたが。
あちこちの河原に野営候補地があるのですが、既に先客がいると使用できません。そうなると別な野営地を探さなければならないのですが、日没間際に滑り込みでテントを張れるギリギリまで釣りをしているので暗くなってからではなかなか身動きが取りづらく、野営地を見つけられず車中泊になることが度々ありました。前置きが長くなりましたがここからやっと車中泊の話になります。

私のJB23Wジムニーはリアシートを撤去してラゲッジスペースをフラット化していますが助手席を倒してもフルフラットにはならないので、ザック、テント、タープや衣類等で凹部を埋めてなんとか平面を作って寝ていました。そんな車中泊が何度か続いたので、安定した寝床を確保できるようにパイプでベッドを作ることにしました。

定番のイレクターでフレームを制作

「車中泊 ベッド 自作」などで検索してみると木材かイレクターパイプを使っている方が多いですね。キャンピングカーのように常設するなら木材でしっかりした物を組んでも良いのでしょうが、設営・撤収のしやすさを考えてイレクターパイプで制作することにしました。

荷室のコンテナをベッドに流用

余所様の作例を見ると助手席から後席荷室までパイプを組んで床下に収納スペースを設けるというケースが多いようです。
私の車のラゲッジスペースには2つの「アステージ NTボックス #22」を積んでおり、それぞれにウェーダーとウェーディングシューズを入れています。釣り車なのでこのコンテナは常に積んでいますから、それならばこのコンテナ自体をベッドにしてしまおうという算段です。これなら収納スペースを確保しつつ使用するパイプも約半分で済みます。

実車を採寸して部品を買いに行く

実車を採寸して必要になるイレクターパイプの長さやジョイントの種類を決めますが、車のフロアは平面ではないので全ての脚の長さが違ってきます。脚は短いと話にならないので長めに見積もっておき、実際に組みながらカットしていくことにしました。

現物合わせで助手席まわりにイレクターパイプを組む

上面部分は机上の計算どおりですが問題は脚の長さ。
脚に必要な長さを正確に測ろうにもフロアにはカーペットが敷いてあり体重が掛かれば沈み込むので正確な数字は出せませんが、床と接するパイプの末端部分には約30mmの調整幅があるアジャスターを着けるので正確に測れなくてもこのアジャスターを予め15mm出しておけば±15mmは調整できるはずです。
スマートフォンの水平器を使用してできるだけ正確になるようにしましたが、実際に駐車する場所が水平とも限らないのでそこまで神経質になることもないと思います。

仮組みしたものを接着する

実車上で仮組みして問題なければ接着していきますが、全て接着してしまっては収納時に邪魔になるのでなるべく少ない工程で設営・撤収ができて収納時にも嵩張らない程度にします。
写真の右上がシフトレバーの上あたりにきます。本当は4つ角に脚を付けたかったのですがこの部分はどうしても脚を着く場所がなかったのでパーキングブレーキ(サイドブレーキ)レバーのあたりに着地するようにしました。写真では適当な位置になっていますが、この右前脚兼左中間脚は前後可動なので実際はもっと前寄りになります。角を押さえていないとちょっと不安ですが、一晩寝るだけなので乗り降りの時だけ気を付ければ問題ないと思います。
左下の短い脚は計算が間違っており不要になったので外し、右上と同じL字のジョイントに変えました。この左後ろの角は左後席の内張りの小物入れに乗ります。クリップで留まっている内張りですが体重をかけても問題なさそうでした。
ジョイントの色が違うのは店頭に在庫がなかったから。

天板は折りたたみ式スノコ

天板は必要なサイズの合板を一枚乗せてしまえば簡単なのですが、収納のことを考えて折りたたみ式スノコを作りました。
ホームセンターでカットしてもらった合板をナイロンテープで連結しています。これなら使わないときは床下収納に収まります。厚さ9mmは薄いかなと思いましたが痩せ形で軽いほうなので大丈夫そうです。僅かに「しなる」のがちょうど良い板バネになって寝心地良いかも。標準〜重めの人は12mm厚にしておいた方が無難だと思います。

収納時の様子

スノコとイレクターパイプの横方向と脚パーツは床下収納に収まっています。
長い縦方向のパーツはここには入らないので前席と後席の間に置いてあります。
次は実際に車中泊をしてみます。

実際に車中泊釣行をしてみた

いつものキャンプ釣行時の荷物です。
左のザックの奥にはアステージ NTボックス #22が2段、右のザックの奥には17リットルのクーラー、その上にはボストンバッグと結構な積載量です。
釣った魚はキャッチアンドリリースだしキャンプでも料理はせずレトルト食品を使うのでクーラーは積んでるだけでほぼ使っていませんが、持っていて良かったということもあるにはあるので降ろせずにいます。こんなに荷物満載で車中泊できるんでしょうか。

パイプベッドを組む

縦方向のパイプに脚をつけて横方向のパイプで繋ぎます。
組むのは簡単なのですが、パーツを取り出すためには一旦荷物を降ろすか前席に移すかしなければ床下収納を開けられないというのが難点。キャンプができないときにやむなくという位置付けなので割り切っていますが、車中泊をメインにするなら仕舞い込まない方が良いと思います。

雨の日の設営は…

ベッドを組むためには外から助手席と荷室を行ったり来たりしなければならないので雨の日は当然濡れることになりますが、アウトドア好きならレインウェアを持っているでしょうから問題ないでしょう。雨でもテント泊をするのですから車中泊で多少濡れたからといってどうということはないはずです。ただし、シュラフなどダウン物だけは濡らさないように注意が必要です。

室内長いっぱいのベッドが完成

なぜNTボックスが裏返しなのかというと、フタの中央が柔らかく体重をかけると沈んでしまうからです。裏面は格子状のリブが入っているので強度があります。
クローズドセルマットレスを敷くと立派なベッドになりました。

もうひとつあったザックは助手席の座面に置いてありスノコをめくれば必要な物も取り出せます。
助手席の背もたれ部分にもまだ空間があるので荷物が増えても大丈夫そうです。減ることはあっても増やすことはないと思いますが。

出来上がったベッドにキャンプテーブルの天板を置いてその上で食事の用意をしますが運転席からは横向きになるので少し不便です。食べるときは前を向いているのでステアリングに引っ掛けて使うテーブルでも作ろうかと思っています。
ベッドの上で胡座をかいて座敷スタイルはどうかとも思いましたがやはり椅子の方が楽でした。

釣り竿にランタンをぶら下げると夜はこんな感じです。
ベッドに高さがあるので天井が低く、着替えたりするにはちょっと窮屈ですが一晩寝られればよく居住性は求めていないのでよしとしています。
釣りをしない人なら私より荷物が少ないはずなので天井も高くでき、一日中車内で過ごしても良いくらい広々とした空間を作れると思います。

肝心の寝心地は?

前席側と荷室側の境界に違和感はありません。全長もグローブボックスからバックドアいっぱいまで採れているので頭側も足側も余裕があります。(身長170cm)
若干の懸念があったスノコの板厚も問題なく、予想どおり板バネとして働いてくれて寝心地もバッチリでした。
天井の低さも寝てしまえば関係なく、これだけ荷物があっても余裕の就寝スペースがとれて快適でした。

かかった金額は?

材料費はイレクターパイプ、ジョイント、接着剤、スノコの合板とカット料金、ナイロンテープ、ビス諸々で約8500円。工具代としてイレクターパイプのカッターが3300円。合計で約12000円でした。
後日、ダイソーのパイプカッター(400円)でも切れたという情報をみてショックを受けましたが、ハンドルが長い方が切りやすいさ!耐久性や替え刃だって…と自分を納得させることにします。作りたい物はたくさんあるので無駄にはならないと思います。

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